現在、フリーランスにシステム開発の一部をお願いしていますが、当社のプロジェクトリーダーが具体的な指示や進捗管理を行い、手が空いていそうなときは他の業務をお願いすることもあります。このような運用は間題あるでしょうか?(情報システム業 Y社)
本来、フリーランスは労働者ではありません。しかし、フリーランスと言いながら実態は労働者と判断される「偽装フリーランス」が問題となっています。
フリーランスは、見かけ上は請負契約や準委任契約を結んでいても、実態が「労働者」と判断されれば、労働関係法令の保護を受けます。つまり自社の従業員と同じように残業代を支払ったり、社会保険に加入させる義務が生じてきます。
では、どのような実態がある場合に労働者と判断されてしまうのでしょうか。
この点に関し、厚生労働省のガイドラインでは、以下の基準を示しています。
①仕事を拒否する自由があるか
②仕事のやり方について具体的な指示を受けていないか
③勤務場所や勤務時間を管理されていないか
④業務を他人に委託する自由があるか
今回のご質問のように、プロジェクトリー ダーが具体的な指示や進捗管理を行っているという場合、上記②に該当する可能性が高いと考えます。業務の進め方は、特別な理由がない限りフリーランス本人に任せるべきで、本人が裁量や創造性を発揮する余地がないほど具体的に指示すべきではありません。
また、手が空いていたら他の業務をさせていたということですが、それは断れる状況だったのでしょうか。有無を言わさず他の業務をさせていたのであれば上記①に該当する可能性があります。
上記を踏まえ、結論を申し上げると、現在の運用は「指揮監督下の労働」と判断され、労働基準法上の労働者とみなされる可能性が高いと考えます。
フリーランス協会が「偽装フリーランス防止のための手引き」を公開していますので、そちらも参考にしていただければと思います。