ニュース/Q&A


就業規則に該当する解雇事由が規定されていない場合、解雇はできないのでしょうか?(町田市 卸売業S社)

 平成15年の労働基準法の改正で、解雇事由が就業規則の絶対的必要記載事項とされたため、今日では就業規則に 「解雇の事由に関する事項」を定めておかなければなりません。

 

 就業規則の普通解雇に関する規定は、「従業員が次の各号の一に該当するときは解雇する」 として、解雇事由を列挙するのが一般的ですが、これが『制限列挙』か『例示列挙』かについては判例は分かれています。 

 

 例えば、上田株式会社事件(東京地裁平9. 9.11決定)では、「使用者の行う普通解雇は、民法に規定する解約権の行使にほかならず、解雇理由には制限がない(但し、解雇権濫用の法理に服することはいうまでもない)から(中略)解雇当時に存在した事由であれば、使用者が当時認識していなかったとしても、使用者は、右事由を解雇理由として主張することができると解すべきである」 と『例示列挙』と解する立場に立っています。

 

 ただし、前述のとおり、『制限列挙』に立つ判例もあることから、実務においては、想定される解雇事由に加え、「その他前各号に準ずる事由が生じた場合」 といった包括的規定も定めておくべきと言えます。 
 

プライバシーポリシー  /  特定商取引に基づく表記      Copyright (C) 2022 人事労務マネジメントオフィス. All rights Reserved.