自宅で仕事のメールをチェックした場合、労働時間となるでしょうか?(卸売業O社)
労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を言います。 就業時間外に届くメールをチェックしないと出勤してからの仕事が進まないような場合、そのチェックの時間は労働から開放されているとはいえず、使用者の指揮命令下にいたとされ、労働時間と捉えられる場合があります。
一方で、人によっては、仕事の進捗とは関係なくメールをチェックすることもあることから、チェックの時間すべてが労働時間となるかどうかは判断の難しいところです。
また、本来、帰宅後や休日は心身ともに仕事から開放され、十分な休息をとってもらうことを目的としていますので、メールをチェックする時間が長く、休まる時間が少なければ、就業時間外または休日とは言えないでしょう。スマートフォンなどが普及したことで、いつでもどこでも連絡が取れる状況になり、仕事が進めやすくなったことは事実ですが、帰宅後や休日に仕事に縛られてしまえば、結果的に心身の健康が奪われていく可能性もあります。
よって、会社側の対応としては、業務上どうしてもメールチェックする必要がある場合などを除き、自宅でのメールチェックを禁止するように指導するのが望ましいと考えます。
なお、メールをチェックした結果、緊急の呼び出し対応や自宅で仕事を行った場合には、実際に働いた時間は労働時間となりますので、その時間に対する時間外手当等の支払いが必要になります。